ロンゲストマッチ(最長プレフィックス一致)とは?
最終更新日: 2026年6月28日
ルーターはパケットを正しい宛先へ送るために「ルーティングテーブル」を見て次の転送先を決めます。このとき、宛先に当てはまるルートが複数あったらどれを選ぶのでしょうか。その答えがロンゲストマッチ(最長プレフィックス一致)です。この記事では、ルーティングの基本からロンゲストマッチのルールまで、具体例を使ってわかりやすく解説します。
ルーティングの基本
ルーターは、受け取ったパケットの宛先IPアドレスを見て、ルーティングテーブルの中から「宛先が含まれるネットワーク」を探します。テーブルには「このネットワーク宛てなら、この次のルーター(ネクストホップ)へ送る」という情報が並んでいます。宛先に一致するエントリが1つだけなら話は簡単で、そのルートを使うだけです。
複数のルートが一致する状況
問題は、宛先アドレスが複数のルートに当てはまる場合です。たとえば、宛先が 192.168.10.130 のパケットが届いたとき、ルーティングテーブルに次の3つのルートがあったとします。
- 192.168.0.0/16 → ルーターA へ
- 192.168.10.0/24 → ルーターB へ
- 192.168.10.128/26 → ルーターC へ
192.168.10.130 はこの3つすべてに含まれています。/16 の範囲(192.168.0.0〜192.168.255.255)にも、/24 の範囲(192.168.10.0〜192.168.10.255)にも、/26 の範囲(192.168.10.128〜192.168.10.191)にも当てはまるからです。では、どれを選ぶのでしょうか。
最長プレフィックス一致のルール
ルーターは、一致したルートの中からプレフィックス長が最も長い(数字が最も大きい)ルートを選びます。プレフィックスが長いほど「より細かく、宛先をピンポイントで指している」ことになるためです。
先ほどの例では、優先順位は次のようになります。
- /26(192.168.10.128/26)… 最も長いのでこれが選ばれる → ルーターC へ
- /24(192.168.10.0/24)… 2番目
- /16(192.168.0.0/16)… 3番目
つまり「/28 > /24 > /16」のように、数字が大きいルートほど優先されます。宛先 192.168.10.130 のパケットは、最も具体的な 192.168.10.128/26 に従ってルーターC へ転送されます。
デフォルトルート 0.0.0.0/0 との関係
ルーティングテーブルには 0.0.0.0/0 という特別なルートを置くことがあります。これは「どんな宛先にも一致する」最も範囲が広いルートで、デフォルトルートと呼ばれます。プレフィックス長が0と最短なので、他に一致するルートが1つもないときの「最後の受け皿」として使われます。
たとえば宛先が 8.8.8.8 で、テーブルに具体的なルートが無くてもデフォルトルートがあれば、パケットはそこへ(多くの場合インターネット側のルーターへ)送られます。逆に、より長いプレフィックスで一致するルートがあれば、デフォルトルートよりそちらが優先されます。
まとめ
ロンゲストマッチは「複数のルートが一致したら、いちばんプレフィックスが長い(具体的な)ものを選ぶ」というルーティングの基本ルールです。デフォルトルート 0.0.0.0/0 は最短なので、他に一致がないときだけ使われます。実際のテーブルを見て「どのルートが選ばれるか」を判断できるよう、練習問題で手を動かしてみましょう。